貝沼 麻衣子さん

柔道

Profile

JR東日本女子柔道部
2015年 全日本実業団柔道個人選手権大会 優勝
サポート期間:2014-2016

Interview

柔道を始めたきっかけを教えてください

もともと柔道を始めたのは小学校2年生からです。
父が柔道をやっていて、それまでも道場には遊びに行っていました。

最初は全然やりたくなかったんですけど、先生から柔道着をプレゼントされて始めて、帰りにお菓子を買ってもらえると思ってやってたんです。
中学校に入った最初もそんなにやるぞって感じではありませんでした。

でも中学一年生の時に全国大会に出て、優勝したんですね。
それでも熱を入れてやっていたわけではなくて。

中学の時の先生は厳しかったんですけど、自分のことを褒めてくれて楽しかったです。

自分でもまだ結果出そうだしと感じていたことや、就職する時にやりたいことがないんだったら柔道を続けてみようと思い、大学卒業後はJRに入りました。

でも、1年経った時に怪我をしてしまったんです。

メンタルに興味を持ったきっかけは?

膝の怪我をして手術をしたあとに、1年くらい身体がうまく動かず、リハビリとかしても全然柔道ができなくて。何かしなきゃと思った時にトレーニングや練習以外で他にないかと探し、見つけました。

とにかく柔道をやるのが辛かったので、それをなんとかしたくて。
結果が出ないと切られてしまうので、どうしようと。

メンタルトレーニングを続けてみて何か気づいたことはありますか?

自分に自信が持てるようになりました。

昔の自分は、女の人で柔道をやってるってこと、ちょっと恥ずかしいような気持ちがその時はあったんです。あまり結果も出していないし、あまり言いたくないなと。

アスリートって言っていいのかなみたいな気持ちもありましたね。

でも今は「柔道やってます」と人に言えるし、「アスリートです」と言えます。
自分がやっていることに自信が持てるようになりましたね。

自信がつくとは?

柔道に関しては自分のやっていることにプライドが持てるようになったというか、
嘘をつかずに本当のことを言えて、それが恥ずかしくないと思えるようになりました。

今までは、人に合わせてしまうところがあったんです。

例えば柔道部の選手や監督がみんないるところで、「今年の目標は?」と聞かれた時に、みんな大きい声で「優勝します!」というんですが、私も以前は「優勝します!」と言っていました。

今は、みんながいるところでも「私は一回戦勝つのが目標です」と言えるようになった。

「なんで優勝じゃないんだ」と言われたとしても、「決して手を抜くということではなく、まずは自分の見えるところに目標設定をして、そこに向かって全力で取り組んでいく」ということをはっきりと言えるようになりました。

それは自分にとって「自信がついた」ということなんだと思います。

人と話す時に、自信を持てるようになった、本当にそれに尽きます。
自信を持って人にモノを言えるようになったなと感じます。

前は「自分のこと好きですか?」って言われたら、「ちょっと・・」って感じだったんですけど、今は、「はい、好きです!」と言えますね。

それが言えるようになったのはなぜですか?

試合で少しずつ結果を出していったからだと思います。

「あ、私できているんだ!」という感覚がすごくあって。
ちょっとずつ結果が出て、自信がついたのはすごく大きいです。

メンタルトレーニングの取り組みで、以前と変わったことはありますか?

一番変わったなと思うのは、試合前に緊張した時です。

自分は、すごく緊張するタイプなんです。

だけど、「それ(緊張)を嫌だ」と言ったら、「緊張から逃げても結果は出ない」と後藤さんから言われました。「逃げない方が結果が出る」っていうことを教えてもらいました。

そんなことって誰も教えてくれないことじゃないですか。
でもそれってすごく重要なことだと思っています。

トレーニングを始めて、自分で実際にやってみて、本当に実感できたことなんです。
ただ言われて、頭で納得しただけでは決してわからないと思います。

実際にやってみて「逃げちゃダメ」って、こういうことなのだなと思えたのが、一番の変化でしたね。

以前に緊張した時はどうしてたのですか?

以前は、すごく逃げていました。

試合の前に試合のことが頭に浮かんできて緊張すると、「あぁ、もう嫌だ」と考えないようにしていました。

考えないようにしていたんですけど、「私はこの試合にちゃんと取り組めていたのかなぁ」と、結局試合の時にすごく不安になるんです。

「私これで大丈夫かなぁ」と感じたまま試合に入る感じでした。

今も、試合のことが浮かんでくると、心拍数が上がって緊張します。

でも「あ、緊張しているな自分。私緊張してるんだ、今」って感じるようにしています。それって結構辛くて。しんどいんです。

試合前はこうなって負けてしまったらどうしようと考えたり、
いや、でも負けないかもしれないしな、と考え直したり。

周りのことが入ってくると、私はすごくダメで。
ここで負けたらこう言われるとか、こうなっちゃう、とか。

うわぁーってなる時に「ダメダメ、今の自分にできること考えなきゃ」って思えるようになりました。それが今までと取り組み方が変わったなと自分でもすごく感じる部分です。

トレーニングを始めてから、辛かったことや嫌なことから逃げないようになったのが本当に大きいなと思います。

試合前とかに「逃げちゃダメだ」と言われて、「じゃあ逃げないでやってみます、嫌だけど」って言ったら、「いいんだよ、嫌なままで。でもそこから逃げないで準備しよう」と。

その嫌なことや辛さみたいなものたちから逃げないでやったことが大きいかなと。

トレーニングを行う頻度は?

私は試合の1ヶ月~2ヶ月前に来て、今回の試合はどんな気持ちで臨もうかと頭の中を整理して。

どんなトレーニングをしているのですか?

この試合でどの程度勝ちたいかということとか、試合に向かって今自分ができることは何かということとか、試合で何ができたらOKとしますかということとか、それ以外にも周りとの関係とか。

私は、そういうのを気にしてストレスになってしまうんです。
そういうのをここで「ムカつきます!」とか言って(笑)

いろんな外に向いていた自分の気持ちが、ちゃんと自分の中に向くようにする、というのは大きいです。ここにきて整理してここを出て行って、それから一ヶ月、試合に向かって集中できる、みたいな感じですね。

メンタルトレーニングを始めるにあたっての不安はなかったか?

いろいろ調べて、最初に初回体験をした時にすごくいいなと直感でそう感じました。

OKラインを意識しますか?

はい、意識することは多いです。

試合の時は毎回必ずOKラインを設定してやっていますし、練習でも最初の頃は毎回設定するように意識していました。最近は、目的を持った練習ができるようになっています。

OKラインは自分で設定していますか?

はい、普段は自分で決めてやっています。
試合前だと後藤さんに話して、確認します。

トレーナーについて教えてください。

自分でちゃんと答えを出せるまで、トレーナーから「こうだ」とは言ってこないので、そこが好きというか、信頼できるところですね。

「こうでしょ」と言われていたら、「えー」と思うじゃないですか。
そうではなくて、「あ、こうなんだな」と自分で思えるんです。

きっと最初から後藤さんには「今こうなんだなとか、こっちに向かった方がいい」というのは見えているんですけど、「こうだからこうだよ」と言わないで、自分自身がちゃんと向きあえるように話してくれるのが信頼できます。

どんな風にトレーニングは進んでいくのですか?

自分がまずはバーッと話をします。
最近感じていることとかを自由に。

いろいろ質問されて、それに対して自分で振り返って考えながら話します。
終わると、自分が今やるべきことやできることを整理できて、毎回また頑張ろうと思えます。

貝沼さんにとってのメンタルトレーニングとはどんなものですか?

トレーニングというか、「頭の中を整理してる」というのがすごくしっくりきてますね。実際、自分自身を整理できてるなととても感じます。

今の自分にとってメンタルトレーニングがないと、無理かなと思います。
それくらい大事なものですね。

今のステージの試合では、今の自分の気持ちとか考え方でやれますが、上のステージの試合になった時に、これまでとは違う状況で違う気持ちになると思うので、そういう時にどんな考え方で取り組めば良いのか話したいです。

今後目指すものは?

以前は、目標はどこだろうかと考えたときに自分ではわからなくなっていました。
でも、今は講道館杯と選抜での優勝を目標に今年はやりたいなと思っています。

まずは、国内大会で優勝したいです。

去年の11月に講道館杯が終わった時に、来年は優勝したいって思えました。

今回も選抜が4月2日にあったんですけど、優勝できそうだなと感じた部分もありました。まず講道館杯で勝たないと出れませんが、選抜でも優勝したいなって思います。

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