須賀 雄大さん

フットサル/フウガドールすみだ監督

Profile

FUTSAL地域チャンピオンズリーグ 5年連続優勝
2014年度からFリーグへ参戦

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Interview

はじめにメンタルに興味を持ったきっかけは?

森川さんとフットサル会場でたまたま会って話をした時に、考え方が自分たちの取り入れているものに近いし、間違いなくチームにも合うなという印象を持ちました。

普段、自分たちが無意識で行っているクラブの風習や慣わしのような部分を言語化したりすることで、もっと自分たちでチームをコントロールできるようになれたらいいなと思ったのがメンタルに興味を持ったきっかけですね。

フウガドールすみだの風習や習わしとは何ですか?

例えば、チームの順位が自分たちよりも上の相手に対して「前半7分経過して、0失点という状況だったら喜ぼう!」と選手に伝えておきます。

そして、実際に7分経った時に取り立てて何でもない状況だったとしても、0失点を維持できていたら、ベンチでは「おっしゃあ!」とすごく盛り上がったりしているんです。

“失点しない”というところに、注目をすると?

もちろん選手は点を取ると爆発的に喜びます。

ただ、試合の立ち上がり7分で失点してしまうと、試合が苦しい展開になってしまいます。トーナメント戦では特にですね。

なので、失点しないことというのは点を取るのと同じくらいの価値があるよね、という話をしていました。多分、無失点で喜ぶっていう概念って世界初だと僕は思っています。(笑)

それを試合立ち上がりからの経過時間によって、明確にタイミングを区切って考えるようにしています。

他にはどんなところに着目されているのですか?

フットサルは攻撃と守備の切り替えのところで得点が動くことが多いんです。
そこに着目して、 クラブのアイデンティティにもなっている「切り替え0秒」という言葉を考えました。

攻撃から守備へと切り替えるスピードを日本で最速にできるようになることで、日本一のクラブになれるんじゃないかという考えがあってこれまでやってきたんです。

その考え方を「切り替え0秒」という言葉で、チームの共通認識として浸透させました。

攻守の切り替えのスピードが大事だと思われたのは何故ですか?

攻撃をしていて、仮にゴールが奪えなかったとしても、シュートを外した後に「切り替え0秒」で守備へ戻れば相手の失点はまず防げます。

逆に、相手の失点を防いだ後に0秒で攻撃へ切り替えることができれば、得点のチャンスが生まれるという意識付けをしました。

チームでのメンタルトレーニングの取り組みについて教えて頂けますか?

例えばですけど、ゴールを決める、決めさせないっていうのは高いOKライン(自分たちで自分たちにOKを出せる合格ライン)だと思うんです。 みんなが絶対に点を取るぞ、絶対に決めさせないぞという風に考えがちですが、実際はそれは難しい。

そこで得点を取る、得点を取らせないということの根底にある“攻守の切り替え“という部分において、“0秒でやる”ということをOKラインに設定する試合もありました。

「切り替え0秒」という行動に、OKラインを設定するということですね?

攻撃でゴールを決めることができなかったり、守備でゴールを決められてしまうことは必ずあります。

でもそこで 「切り替え0秒」で攻守を切り替えることができたらOK!とすると、
選手は自己肯定感を持つことができます。

それがこれまでの結果にもつながっているんだと思いますね。

これまでのチームの道程を振り返るといかがですか?

2010年度からは、日本フットサル連盟が主催するFUTSAL地域チャンピオンズリーグという、日本一のチームを決める大会で5年連続優勝することができました。

5年連続で5試合のトーナメント戦を勝ち抜く、つまり25試合連続で勝つことができたんですね。これはそれまでのチームとしての取り組みが、結果として現れたのだと思います。

その後、2014年からFリーグ(日本フットサルリーグ)に昇格されたんですよね?

Fリーグ昇格後の初年度は6位でした。

ただ、自分たちより下位のチームに対しては全ての試合に勝つことができたんです。
これはつまり、”自分たちの実力通りに力を発揮できた”、という結果だと思いますね。

“チームとしていつも練習でできていることが、本番でもできるようになった“ということでしょうか?

「取りこぼす」という言葉があるように、力を発揮できずに取りこぼしてしまうことというのは運のように見られがちです。でも、 僕はそれが自分たちの実力だと考えています。

やはりゴールというものがこのスポーツの一番の鍵となるもの。
でもそのゴールが生まれない時にただ焦るのではなく、何を頼りにすればいいのか。

その時に、今自分は「やるべきことをできている」という自己肯定感を積み重ね、自信を作ることができるのがOKラインの考え方なのだと感じます。
切り替え0秒のようにOKラインを活用することで、自分たちから崩れてしまうような試合がほとんどなくなりました。

普段はどのようにメンタルトレーニングを行っているのですか?

あくまで選手達が自発的にメンタルトレーナーを利用していくというのがベースです。

また、僕自身も監督として選手への接し方について、清水さんと練習や試合の際に意見交換をします。清水さんには2015年からチームに専属のメンタルトレーナーとして帯同してもらっています。

メンタルトレーナーとはどのようなことをお話しするのですか?

「この選手にはOKラインを高くしてあげた方が活躍するかもしれないな」とか「OKラインが高いよね」という、その時の選手の状況に合った力の発揮の仕方について話し合っています。

フットサルはチームで結果を出すスポーツ。

僕はチームの中でそれぞれの選手が実力の平均値を、全ての試合で出せているかどうかということが大事だと思っています。そしてそれを可能にするのが、メンタルトレーニングのメリットだと感じます。

須賀監督にとってのメンタルトレーニングとは?

僕が思うのは、メンタルトレーニングとは「自分を知る」ということかなと思います。

自分を知ることで、何ができて何ができないのかがまずわかります。

自分はこういう場面だったらこれをやろうとか、自分はこれができないけど、できなくても笑われてもこれをやろうと決めて取り組む。 そういったことを積み重ねていくと、どんな場面でも自信を持っていられるのだと思います。

今後、フウガドールすみだが目指すものとは?

僕たちはFリーグというフットサルのリーグに所属していて、
フットサルを文化にしていくという役割を担っていると思います。

また、フウガは下部組織や保護者のみなさんを含めると、500名以上の方が応援をして下さっています。

ただフットサルが強いというだけでなく、フウガに関わる人たちが幸せになっていくというチームにしていきたいし、地域の人たちが応援してよかったなと思えるチームにしたいんです。

今後はどんな活動をしていく予定ですか?

フウガのファンや地域の方はもちろん、選手や選手の家族、スタッフやスタッフの家族、下部組織の選手たち、レディースなどの全員が、このチームに携わって良かったなと思えないといけない。そのためにも、出来るだけたくさんの方に「あのチームで仕事をしてみたいな」と思ってもらえるようにしたいですね。

僕らはJリーグのような爆発的なコンテンツや仕掛けを作ることはできません。少しづつ輪を広げていって、最終的には墨田区を本当に盛り上げて、社員やボランティアスタッフなども含めて全員が幸せになれるようにやっていけたらいいなと思いますね。

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