第三回 会話で行うストレスケア方法

今でも余震が続いており、こうなってほしいという願望と、現実に起こっていることのギャップを感じている人も少なくないかもしれません。
本当はつらいのに、その気持ちを誰にも伝えることができず、一人で抱え込んで苦しくなってしまうこともあります。
特にどう見られているかという他人からの評価が気になっている人ほど、素直な気持ちよりも、「明るくいるべき」「弱みは見せないように」という思考が働きやすいため、このような状況に陥ることがあるのです。

つらい上に、自分の気持ちを分かってくれる人がいないことは、孤独感も生まれ、更にストレスが溜まってしまう原因にもなります。

今回はそんなときにご家族や友人など身近な人に手伝ってもらいストレスを軽減する方法をお伝えします。
また、ボランティアスタッフの方々や、熊本にお住まいではない皆様も電話などでサポートできる方法です。

会話を使いストレスをケアするポイントは今持っている素直な感情を話してもらうこと。
悩みを打ちあけたら気持ちが落ち着いたり、すっきりした経験はあると思います。
人は誰かに自分の感じている感情を正確に理解してもらい、受け入れてもらえたと感じることでストレスや孤独感を軽減することができます。

しかし、日常の会話では「~ へ行った」「こんなことがあった」という出来事を伝えるだけで、話が進んでしまうことがあります。
さらに「今はこんな気持ちなんだろう」と、勝手に相手の気持ちを予測してしまうことも。
これではなかなかストレスは軽減しません。

例えば、
Aさん「早く落ち着いた生活に戻りたいな。」

Bさん「今は辛いでしょう。でも暗くならず頑張って」
Aさん「そうだよね。」
Bさん「こんなときこそ明るくね。」

この会話ではAさんから感情についての言葉が話されていません。
もしかすると、Aさんは「イライラしている」「悲しい」など、他の気持ちを持っているかもしれないです。
そうなると話し手は感情を抑え込みやすくなってしまいます。
また、聞き手が解ってくれていないという気持ちが強くなり孤独感も解消することができません。
聞き手のBさんは「Aさんは今どんな気持ちですか?」と、感情を聞いてみてください。
話し手から感情の言葉が返ってこない場合、下記の感情シートを使い、感情の言葉を聞いてみることが効果的でしょう。

「つらかったのか」「怖かったのか」「不安なのか」というように、話し手が感情の言葉を探しやすいように質問をしてみるとよいでしょう。

感情の言葉を話してもらえたら、「暗い気持ちにならないで」と、励ます言葉はおすすめできません。
その言葉を聞いた話し手は、無理に頑張 ろうと自分を追い込んでしまう場合もありますし、素直な気持ちを受け入れてもらえず、否定されている気持ちになってしまう人もいます。

先ほどの会話であれば
Aさん「早く落ち着いた生活に戻りたい。」

Bさん「Aさんは今どんな気持ちですか?」
Aさん「悲しいです。」
Bさん「そうですよね、悲しいですよね。」

このように感情に同調することだけで効果があります。
更に受け入れてもらえている気持ちになり孤独感も軽減できます。
話し手がつらそうな表情をしていたら表情も合わせていくと、より効果的です。

自分が気持ちをため込んで苦しくなっていたら、身近な人や、友人などに自分の気持ちを話す機会を設け、感情を吐き出してみましょう。
また、近くに一人で気持ちをため込んでいる人がいたら、感情を聞く会話をし、その気持ちに同調してあげてください。
このように感情についての会話をすることで、ストレスを軽減していくことができるのです。

メンタルトレーナー 清水 利生

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