【後藤 史インタビュー】JMA(ジュニアメンタルアドバイザー)資格をサービスとして作ろうと思ったキッカケ <前編>JMA誕生編

後藤(以下G):実は「ジュニアメンタルアドバイザー」つまり「子どものメンタル」というものについて、個人的に考えるきっかけは、実はメンタルトレーナーになる前に遡るんです。

鈴木(以下S):メンタルトレーナーになる前ということは、現役時代ですか?

G:そうですね。私はスペインでサッカー選手としてプレーしていたんですけれども、スペインのチームメイトから受けた衝撃というのは「メンタルの強さ」でした。

メンタルの強さというのは、どんな状況でもどんな環境でもプレッシャーのかかった中で、彼女たちは常に自分の実力を発揮できるんですね。

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逆に、私はというと結果を残さねばと思えば思うほど、消極的になったり、ミスをしたり、結果に繋がらない、スペインでの1年目は、もう本当に毎日自信を失っていきました。

そんなスペインでの日々の中で、

「なんでチームメイトたちはこんなにプレッシャーに強いんだろう」

「なんでこんなに勝負強いんだろう」

「なんでいつも自信がぶれないんだろう」といつも疑問でした。

彼女たちを観察する中で、最も印象に残っていたことがチームメイトとその親との親子関係というか、親の我が子への接し方です。

S:親子関係や接し方とは?

日本の親子関係とは、大きく違いましたね。とても驚きました。

例えば私の場合ですが、周りからしっかり者、できる子と見られていた(ように感じていた)ため、小学校高学年からは、親に甘えたり、相談したり、ネガティブなことを言った記憶がありません。

甘えたり、相談することを何だか悪いことのように感じていたんです。

大人になってからも、大切な試合でPKを外してしまった時などひどく落ち込みましたが、親に連絡することはありませんでした。

また親からも私が昔からそういう態度なので、あえて何かを言われたことは記憶にありません。

でも、仲が悪い訳ではありませんでしたし、それが普通だと思っていました。

しかし、スペインで私が見た光景でまず思ったことが、親子の距離感が近いこと。とても。

恋人だけでなく、親しい友人、そして家族と、たくさんハグやキスをする文化を持つ国です。

日本人だったら、一定の年齢をこえると親とハグをしたり、ましてキスをする距離まで近づくことは抵抗感がありますよね。

とにかくこのハグとキスの文化にまず驚きましたが、それと同時に親から子への愛情表現が伝わりやすいなと感じました。

ハグやキスだけでなく、精神的にもちょっと違うなと。

例えば、私と同じ年の選手(当時23歳)がアウェイの遠征先に到着した時に、必ずママかパパに無事についたことを電話で報告するんです。

当時は「いい大人なのに不思議」「この人たちはあんなにフィールドでは強いのに自立していないのか」と驚きました。

他にも、ある日、私のように大切な試合で大きなミスを犯した選手がいたのですが、その選手のパパは、試合の後落ち込んでいる彼女をハグして、まずこう言ったんです。

「愛してるよ。私の可愛いあなたは世界で一番素晴らしい子だよ」と。

こんな声がけは初めて見ましたね。

日本では、試合の後に親御さんが熱さのあまり子どもたちについ怒ってしまったり、なんて声をかけていいかわからず困っている場面はよく見たことがありましたが。

様々な文化や生活習慣の違いを日々感じましたが、日本の愛情表現と海外の愛情表現の方法はこんなにも違うのかとずっと自分の心に引っかかっていたんです。

そしてこのスペインでの経験は、メンタルトレーナーとして活動していく中での、気づきに繋がります。

S:気づきとは?

G:サッカー選手を引退、帰国し、メンタルトレーナーとして多くの子どもたちをトレーニングしていく中で、すぐに結果に繋がる子と少し時間のかかる子の「違い」があることに、まず気づきました。

その「違い」とは、子ども達が自分の「弱さ」だと思っていることを受け入れられる子となかなか受け入れられない子がいるということです。

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弱さとは、例えば「できない」や「緊張」「不安」など一般的にネガティブや悪いとイメージがあるもの。

OKラインとは「緊張しないためのトレーニング」ではなく、「緊張してもできるようになるためのトレーニング」です。

そのためには、自分の今の状態(できること、できないこと、自分の感情)に良い、悪いをつけずに自分のリアルを認識することが必要なのです。

そこで、なぜその違いが生まれるのかと多くの子ども達とのトレーニング、学術的な理論、そして私自身が海外で感じたチームメイト達との違いから、たどり着いた一つの答えがこのJMA資格。

OKラインメンタルトレーニングの「土台作り」となるのが、このJMA資格なんです。

S:OKラインの効果を上げるために、土台作りが重要ということに気づいたということですね?土台作りについて、詳しく教えてください。

G:土台とは、「安心」のことです。

できる自分や頑張っている自分しか、受け入れてもらえたという経験が少ないと、「できなければいけない」「頑張っていなければいけない」という思考が優先され、実際に自分の感じているネガティブな感情や状況に目を向けることが非常に苦手になります。

ネガティブな自分や状況でも認められる場所があるという「安心」があると、人は等身大の自分に目を向けることができます。

その安心の場所を作ることができる最も身近な存在は、「家族」だと思います。

かつてのチームメイトだったプレッシャーに強い彼女達には「サッカー選手として活躍している自分」だけではなく、どんな自分も愛されているという安心の場所が常にあったということだったんですね。

私たちメンタルトレーナーは、メンタルトレーニングの中でまず大切にすることは、相手との信頼関係の構築です。

信頼関係の構築とは、安心して頂ける環境作りのこと。

私たちのトレーニングを親御さんや指導者の方々にご理解頂き、一緒にご家庭やチームで実践して頂くことで、子どもたちのトレーニングでの効果が大きく変わります。

JMA資格では、このメンタルトレーナーが実践する土台作り=安心作りのための「声がけ」の方法から、そしてOKラインメンタルトレーニングまで、しっかり学び、実践できる内容を構成しました。

S:なるほど。それが土台作りという意味ですね。では後編では、土台づくりのための声がけについて聞いてみたいと思います。

 

〜後編へ続く〜

 

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【ジュニアメンタルアドバイザー資格 -子どもの夢を育てよう-】

WEB担当:鈴木 雄太

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